2012年9月30日 (日)

樹木の影絵を大きく描いて秋がくる

初秋の殿ヶ谷戸庭園画像

殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)

青い空に白い雲が浮かんでいます。

青空の風景を、ありふれたもののように思ってしまうのは、暑い夏の太陽が、まだ私の心の中で照り返しているからなのでしょうか。

明るい午後。庭園の芝生の上に樹木の影が大きくひろがります。

夏の太陽は樹木の影を、芝生の庭の端っこに描いていたのですが、この秋の太陽は、芝生のキャンバス全部をつかっています。

この大きな影絵が、秋。光と影が、秋をかたちにしていきます。

木陰にベンチがあって、そこは暑くもなくもとより寒くもなく、おだやかに空気がながれていました。

こうして、秋への動きをみていますと、ありふれたものに見えていた青空と白い雲が、特別上等な風景のように思えてくるのでした。

2012年10月 8日 (月)

シュウメイギク 濃淡のある渋い赤色が秋らしく

シュウメイギク画像
殿ヶ谷戸庭園に咲くシュウメイギク

シュウメイギク(秋明菊)

濃淡をもった渋みのある赤色が秋らしく、魅力的な花です。

長くのばした花茎が、季節の風に揺れるさまは、秋という字をもつこの花らしい姿です。
殿ヶ谷戸庭園に咲くこの花は、矮性の園芸種のもので花茎が短く、ひかえめに風と遊びます。

花びらのようなものは萼(ガク)。色をつけたガクの大きさがふぞろいで、とくに2枚だけ小さくなっているのがおもしろい。

その不ぞろいが、一見、アンバランスのように思わせますが、全体としては、なんとなく左右対称のシンメトリーでバランスがとれていて、うまくおさまっているなと納得させられます。そんな形状のありようを花の巧みな演出だと思って感心してしまうのです。
見る者の秋風のような心の揺れを、花が親しげにほほえんでいます。

そんなわけで毎年秋になると、もう咲いているのではないかと気になる花なのです。

シュウメイギク画像

「菊」の字がついていますが、キク科ではなく、アネモネと同じキンポウゲ科の植物。
英名は、Japanese anemone(ジャパニーズ アネモネ)。

シュウメイギクの名前の由来は、秋に咲く、菊に似た花だからとのこと。八重咲きのシュウメイギクは、たしかに、菊花に似ています。
貴船菊(キブネギク)という別名がついています。京都の貴船神社近辺に多く生育しているからという。

秋明菊の花言葉は、「忍耐」「うすれゆく愛」。
シュウメイギクと「うすれゆく愛」がどう結びつくのかな。秋風によく揺れるこの花を「揺れうごく愛」とみて「うすれゆく愛」としたのか、あるいは不ぞろいな花弁(ガク)を「釣り合いのとれていない愛」とみて「うすれゆく愛」なのか(などと空想してみるのでした)。

シュウメイギク画像

<殿ヶ谷戸庭園:東京都国分寺市>

2012年10月14日 (日)

シモバシラの花の白い光に木陰が小さく明るい

シモバシラ画像
殿ヶ谷戸庭園に咲くシモバシラ

シモバシラ(霜柱)

小さい白い花が、寄り添うように咲いています。シモバシラの花です。

きちんと一列に並んで同じ向きで、その方向に何を見ているのでしょうか。

一つ一つは小粒の花ですが、そのかたまりに白い光があつまって、木陰が、小さく明るい。

シモバシラは、この白い花のあと、冬の本格的な寒さがはじまって、もう一度「花」をつけます。

それは、同じように白く光っていますが、氷の結晶の花。

自然界とこの植物が協働して、冬に、造形の美を咲かせます。

この花の四季には、そんな第二幕目があり、その時を遠く見つめるように、いま静かに咲いています。

シモバシラ画像

シモバシラは、シソ科シモバシラ属の多年草。
「シモバシラ」という名前の由来は、枯れた茎の根元にできる氷の結晶が「霜柱」のようだということにあります。
<殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)>

2012年10月21日 (日)

リンドウの花が秋という季節の終章を飾る

リンドウ画像
殿ヶ谷戸庭園に咲くリンドウ

リンドウ(竜胆)

あちこちに咲いている花々を茶色の絵の具で塗りかえるようにして、秋が少しずつ深まっていきます。そうして、だんだん花が少なくなっていくなか、秋という舞台の終りを飾る花の一つが、リンドウですね。

殿ヶ谷戸庭園に咲くリンドウの花の青紫色に引きつけられるように足をとめました。

小さな紫グラスを置いたように咲く、先端五裂の花は、秋のおだやかな光を抱いて美しい明るさです。ことさら周りをにぎわしくしない落ち着きもあります。

リンドウ色の深みの中に、季節の思いが溶けこんでいるような気がして見ていました。この色から秋のどのような追想が生まれるでしょうか。

リンドウ画像

リンドウは、リンドウ(竜胆)科リンドウ属。変種・改良種が多く、春咲きや夏咲きがあり、花の色・草丈・葉の形など違いは多様です。
殿ヶ谷戸庭園のリンドウには、「ササリンドウ」の表示がありました。葉の形が、笹の葉ににているので、ササリンドウですが、リンドウの別名としてこう呼ばれることもあるようです。

リンドウの花言葉は、「あなたが悲しんでいるとき、私はあなたを愛する」。濃淡のある愛とは意味深長ですね。悲しんでいないときももちろん愛しているのでしょうけれど。そのほか、正義感・誠実。

<殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)>

2012年10月27日 (土)

コムラサキの実の雅趣ゆたかなむらさき色

コムラサキの実の画像
殿ヶ谷戸庭園に実るコムラサキの実

コムラサキ(小紫)の実

あざやかなむらさき色が、雅趣ゆたかで美しい。コムラサキの実です。
小鳥たちの目にも、おいしそうにうつるのでしょう。食べ頃になるとすぐになくなってしまいます。

仲間の同属の木に、ムラサキシキブがあって、やはりこの時期に美しいむらさき色の実を実らせます。平安王朝の才媛、紫式部の名前を借用したのだともいわれますが、果実のみやびで上品なむらさき色の魅力をそれによって表現したかった。

コムラサキは、そのムラサキシキブよりも小さく低木ですが、しだれるような枝ぶりで、実のつきかたが豊かです。

コムラサキは、園芸店で「ムラサキシキブ」の名前でよく売られていますが、源氏物語の作者への連想がすてきな花木のイメージとなって売れ行きがよくなるのかもしれません。植物にとっては、あちこちの家の庭に植えられて、花を咲かせ実を結ぶ機会が増えることになりますね。

秋空に太陽を隠していた雲が移動して、小さく集まったむらさき色が宝石のように光っていました。

 

コムラサキ(小紫)は クマツヅラ科ムラサキシキブ属
<殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)>

2012年11月 3日 (土)

キチジョウソウ 赤紫色のおしゃれな衣装

キチジョウソウの画像
殿ヶ谷戸庭園に咲くキチジョウソウ

 

キチジョウソウ(吉祥草)

日に日に地味になっていく11月の庭の一画を、キチジョウソウのひとむらが、緑の葉でおおっています。花は、その葉陰に隠れるようにして控えめな咲き方です。

キチジョウソウ(吉祥草)の「吉祥」とは、めでたいきざしという意味なので、そのままでたいへんおめでたい名前の植物です。名の由来はこの花が咲くのは吉事の前兆だという中国古来の言い伝えによるといいます。

直立した花茎とともにつぼみまでが同じ赤紫色。その赤紫の衣装を裏地の白の大胆な折り返しで着こなして、なかなかおしゃれな花です。

葉が茂っていてよく分からなかったのですが、ほうぼうに花が咲いています。このたくさんの花のように多くの吉事が、言い伝えどおり世の中に起きていて、みんなのもとにうれしいことが舞い込むといいですね。

キチジョウソウの花咲くその横で、土に眠る準備をはじめている草々もあって、季節が巡って秋が深まっていきます。

 

キチジョウソウの画像

キチジョウソウ(吉祥草)は、キジカクシ科キチジョウソウ属(APG分類)。
花言葉は「吉事」「祝福」
<殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)>

2012年11月11日 (日)

チャ(茶)の白い花の気品ある美しさ

チャ(茶)の花の画像
殿ヶ谷戸庭園に咲くチャの花

 

チャ(茶)の花

午後の陽の光が斜めからさして、うすい影をまといながら、茶の白い花が浮かび上がります。
気品ある美しさ。多すぎるほどの黄色いシベがやわらかくふくらんだようになって、咲く姿は下向きが多いですね。

「茶の花や黄にも白にもおぼつかな」(蕪村)

与謝蕪村の句です。茶の花は、黄色なのか白なのか、どちらが主体かはっきりしないといって惑っているようにもみえますが、それよりも、花の中に黄でも白でもない色を見ているのでしょう。

花の白い花弁のもとが、シベの黄色を映したかのように淡黄(たんこう)色になっていて、その淡黄の縁は、白の中へおぼろに消えていきます。

茶の花は、一花の中に黄から純白へと微細なグラデーションがあり、その無限の段階的変化が「黄にも白にもおぼつかな」なのだと思います。

寒さに向かう風景の中、楚々とした風情の花です。茶の花は「冬」の季語。

 

チャ(茶)の花の画像

チャ(茶)は、ツバキ科ツバキ属の常緑低木。
チャ(茶)の花の花言葉は「純愛」「追憶」。
<殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)>

2012年11月18日 (日)

高尾山の紅葉(11月18日)

高尾山山麓紅葉
高尾山山麓「もみじ広場」の紅葉(11月18日)

山の秋が、頂上からだんだん降りてきて、写真のように、高尾山のふもとのカエデはすっかり赤く色づいていました。ほかの木々も、赤・オレンジ・黄・緑とそれぞれの色で自らを装って、山の秋をみごとに演出しています。

この日、高尾山山頂のカエデの紅葉も見頃でした。高尾山は低山なので、ふもとと山頂で同時に紅葉を楽しむことができる時期があります。
木々の表情に接して、秋をたくさん感じることができればうれしい。

もみじ広場もみじ広場
高尾山清滝駅(山麓駅)前の広場。「もみじ広場」と呼ばれています。
その広場の象徴となっている大きなカエデの木も全体が紅葉です。

<画像クリックで拡大します>

 

高尾山不動院高尾山不動院
清滝駅(山麓駅)の向かい側に高尾山不動院があります。高尾山薬王院の別院でしょう。
銅板葺き屋根の重厚な曲面がみごとで、背後は紅葉の広がりです。
屋根と紅葉が風景を分け合っています。

 

ジュウガツザクラジュウガツザクラ
もみじ広場にジュウガツザクラが咲いています。
もうおおかた散ってしまって、花は残りわずかですが、紅葉とサクラの取り合わせは不思議な気分です。
サクラの花は、広場のはなやぎを紅葉に引き継ぎながら散っているようにみえました。

 

ミヤマフユイチゴミヤマフユイチゴ
ミヤマフユイチゴ(バラ科)の赤い実が、歩く足もとにポツンと実っていて、あざやかに光っていました。6号路で。
他の山でよく見るフユイチゴとは葉の形などが異なります。

 

リンドウリンドウ
山頂近くの5号路にリンドウの花が咲いていました。
日がかげると花を閉じますので、朝早くはつぼみのままです。花は、時刻午後1時25分のおだやかな陽射しをうれしがっています。
花弁を慎み深く少し広げて、青紫色が、いま生まれたように、清くて美しい。


みち案内
6号路琵琶滝コースと山頂の風景(2012年11月18日)。

清滝駅(山麓駅)前清滝駅(山麓駅)前、もみじ広場
ケーブルカーの乗車待ちの最後尾を示すプラカードが広場の端まで来ていて、待ち時間60分の列がつづいています。
この写真の右端が「1号路・表参道コース」の登山道で、こちらも歩く人の列です。
この日この時間は、すでに昼の12時。
紅葉の季節の休日、高尾山は、とても「難易度」の高い山にかわります。人が多くて前に進むことができず、頂上に容易に到達することができないからです。
歩行の列・乗車の列・トイレの列・薬王院階段の列・店前の列と、多くの列で山の時間を費やしますが、高尾山は日の沈む側に山が連なっていて日暮れが早い。日没後の山は十分な注意が必要になります。
以下は、比較的歩きやすい「6号路・琵琶滝コース」の写真です。<画像クリックで拡大します>

 

駅舎清滝駅(山麓駅)駅舎
ふもとのケーブルカー清滝駅とリフト山麓駅の2駅の駅舎は、山をかたどって、特徴ある建物です(下山後に撮影した写真)。

「6号路・琵琶滝コース」の道は、この駅舎に向かって左側にあるアスファルト舗装路(車道)からはじまります。

 

妙音橋6号路・琵琶滝コース
昼頃でしたので、この道は登山者もまばらです。
アスファルト舗装路を10分ほど歩くと「妙音橋」(写真)。この橋の先の白っぽい建物は東京高尾病院。
「妙音橋」を渡らずに左へ行きます。

 

錫杖の彫刻錫杖の石柱
修験者の持つつえである錫杖(しゃくじょう)の形を模した石柱が立てられていて「高尾山琵琶瀧水行道場」と記されています。
琵琶滝水行道場とは、滝の水を浴びる修行指導ですが、初心者向けの指導があり、この日も、琵琶滝で水行(すいぎょう)が行われていました。

 

木の根木の根の露出
木の根は、好んで露出したのでもなく、もちろん登山者の足をすくおうとして出ているのでもありません。土砂が雨で流されて根がむき出しになってしまったようで、ここにはもう落ち葉も堆積しないので根は隠れることができません。
自然と人間の行為とのきしみ合いのようなもの音が聴こえてきそうです。

 

ベンチ前の沢
みちはここで「前の沢」の流れに同じ高さで接しています。
透明な水の流れに手をひたした感触が秋でした。
このあたりの黄葉は、もう少し先になりますね。

 

大山橋大山橋
「前の沢」に架かるこの小さな橋には、大山橋という表示があります。かつて存在した、高尾山から大山詣(おおやまもうで)へ向かう道に架けられていた橋の名称を残したのでしょう。
橋を渡って、今度は左に流れのささやきのような音を聞きながら進みます。

 

飛び石飛び石
山の清水が、ゆるやかな勾配を流れ下りてくる中を歩行します。
きれいな水で靴底の土を洗い流すようなふるまいに気が引けるのですが。
この流れは多摩川の原流の一つで、東京湾へ向かいます。

 

階段階段
6号路の「難所」でしょうか。整備された階段なので山の難所とはいえませんが、息が切れます。
すこし傷んでいる階段です。山みちもこの階段も、そこを歩いたすべての登山者の足跡を記憶しています。その記憶の重さの代償として、階段は削られ、はがれ落ちます。

 

尾根お弁当を広げるよい場所
階段を上りきると尾根です。
ここから、5号路を経て1号路に合流し、山頂までは約10分。山頂までおだやかな坂道になっています。
この尾根は、樹林の間から遠方を望むことができ、さほど人の混雑もなく、昼食のお弁当を広げるにはよい場所です。

 

高尾山頂高尾山、山頂の混雑
午後2時の山頂。いつもながら、多くの人。
座って休憩する人。その横を押し流されるように歩く人。砂ぼこりも舞い上がります。
でも、よい天気。空の真ん中が雲のない青空です。
秋のやさしい光が、頂上にいる人たちを明るくつつんでいました。

 

高尾山紅葉高尾山山頂の紅葉
高尾山は、全山紅葉という山ではなく、要所に植栽されたカエデが紅く染まって登山者を迎えている山です。
多くの人がカメラを向けていたこの木は、人の感動の気持ちをよく知るように、色と形を披露していました。
すてきな秋です。

 

高尾山展望高尾山山頂の展望
軽い足取りで登ってきた山頂のこの高さの遠く広がる風景は、街と建物を一つひとつ認識することのできる、ほどほどの距離感の世界を楽しむことができて、向こうのほうで、横浜ランドマークタワーが、小さく背伸びをしている姿もほほえましい。

 

高尾山紅葉高尾ビジターセンター前
山頂の高尾ビジターセンター前の石段にも多く登山者が休んでいましたので、同じように私も腰を下ろして、空や光や人や樹木や葉っぱをとびとびにしばらく見ていました。
青空と紅葉が、私をひそかに感心させよろこばせているのですから、そのもとで、こうしてじっとしていることは、山のひとときの私の幸福です。

 

2012年11月25日 (日)

高尾山の紅葉(11月25日)

高尾山薬王院紅葉画像
▲高尾山薬王院、山門前の紅葉

高尾山薬王院の紅葉

先週に引き続いて、この休日も高尾山で、山のみちを行き来した半日でした。

山頂では、まだ見応えのある紅葉が残っていましたが、同じ山頂でも、ビジターセンター前のカエデは、すっかり葉を落としていました。

2枚の写真は、山頂から少し下ったところにある高尾山薬王院の紅葉です。

はなやかな色に、引きつけられます。

この赤い色を、高揚した気分で見ながら、いっぱいに足りた感覚にもひたり、またおだやかな気持にもなっているのですから、植物が創りだす色彩は奥が深いです。

高尾山は、山のふもと・薬王院・山頂の3ヵ所にカエデがかたまっていて、この日の薬王院の紅葉は、こんなふうにして秋を飾っていました。

 

▼下の写真は山門を入って内側から。天狗像と紅葉と山門と。

高尾山薬王院紅葉

2012年12月 1日 (土)

殿ヶ谷戸庭園の紅葉

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▲殿ヶ谷戸庭園の紅葉

殿ヶ谷戸庭園の紅葉

秋の木の葉は、終わる前に、こんなにもあざやかな色を見せます。
ショー舞台のように、フィナーレは華やかに、ということでしょうか。
そうだとしますと、ここは静かに、その舞台の観客となりましょう。
写真を撮りながら、木々と光の美しい表現を楽しんで、
そうして心のなかで喝采を送ります。

 

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▲殿ヶ谷戸庭園

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▲殿ヶ谷戸庭園

 

殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)

2013年6月15日 (土)

細い茎にラセン状に桃色の花(ネジバナ)

曇り空から薄日がもれだし、それから夏の太陽が少しだけ顔を出しはじめました。

草々のみどり色がまぶしい中、殿ヶ谷戸庭園の小径の縁に大地からすらりと立ち上がった一本の細い茎に気がついたのでした。

ラセン階段のようにグルグルと桃色の花を巻いています。こんなふうにねじれて咲くからネジバナ(捩花)。

花の遊び心でしょうか、それともなにか特別のワケがあるのでしょうか、花が教えてくれるはずもなく、ネジバナに出会うといつも、このラセンの幾何学の知恵に感心したり不思議に思ったりするです。

この花は、見逃してしまいそうなほど細くて目立ちません。芝草との相性がよいようで、そんな場所で見つけるとうれしい気持になります。

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捩花(ネジバナ)は、ラン科の多年草。別名、モジズリソウ(綟摺草)。
花期が長く6月初めから8月の終わりごろまで次々と咲き続けます。
場所は、殿ヶ谷戸庭園(東京都が運営する庭園)。

2013年7月 1日 (月)

コムラサキの小さな花

コムラサキ(コシキブ)の花(殿ヶ谷戸庭園)

秋に、しだれるようにして枝につくコムラサキ(コシキブ)の実は、美しい紫色です。

美しい実を結ぶ木々は、美しい花を咲かせるはずだと思ったりしますが、この花は、実(み)ほどには話題にのぼりません。

とても小さい花。やはり、紫系の色だ。うすむらさきのかわいらしい花は、はねるように、開花のよろこびを踊っています。

このうっすらと淡い表情は、秋のあの美しいむらさき色へのやさしい思いを宿した姿なのでしょう。

秋の「コムラサキ(コシキブ)の実」の記事はこちらです。


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